草津白根山の本白根山(標高2171メートル)の噴火について、東京大地震研究所火山噴火予知研究センターの武尾実教授は「観測データを見ると傾斜計に変動があったのは直前で、それまではっきりした変動はない」と指摘した。
火山は噴火前、マグマや火山ガスで熱せられた地下水が水蒸気となり膨張する。山の傾きが変わり、傾斜計の数値が変化する。
今回の傾斜計の変化から噴火までの時間は、2014年9月に御嶽山が噴火した時よりも短いといい、武尾教授は「事前に噴火警報のレベルを引き上げるのは難しかったのではないか」と述べた。
気象庁はこれまで、噴火の可能性が高いのは本白根山から約2キロ北にある白根山(2160メートル)の湯釜付近とみて、本白根山には監視カメラを置いていなかった。
武尾教授は「記録に残る噴火はほとんどが湯釜付近で起きており、本白根山に関するものはほとんどない」と話し、「気象庁の予算も限られており、観測範囲を絞らざるを得ないのではないか」と推測した。
最終更新:1/23(火) 20:53
時事通信
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